自由に生きる

会社勤めの方であれば、
いつも決まった時間に会社へ行って、
(最近であれば在宅勤務かもしれませんが、)
決まった時間に業務を開始して、
上司から指示を受けて、
周りと調整しながら、仕事を進める。
若い人であれば、なおさら
なかなか自分の思い通りに仕事を進める
ということはむつかしいかもしれません。

私は会社勤めしか経験がありませんが、
もしかしたら、一見自由に見える
自分で事業をされている
個人事業主さんでも同じかもしれません。
いや、お客様とダイレクトにやり取りをする機会が多い、
個人事業主の皆さんの方が、
もしかしたら自分の思い通りに仕事を進める
融通は利かないのかもしれません。

自由に生きる

そういった現実世界の反動の影響かもしれませんが、
時間に縛られず、
お金に縛られず、
会社に縛られず、
上司の顔色もうかがわずに、
自由に働きたい。
「自由に生きる」という言葉にとても惹かれます

自分の好きな時間に起きて、
自分の好きなことを、好きなだけやって、
お金をいただく。
気分が乗っているときは、思い切りやるし
気分が乗らないときは、早く切り上げる。
誰からもやることを制約されず、
自分がやりたいことを、やりたい様にやる。

まるで夢の様な話ですが、
それができれば結構ですが、
なかなか現実はむつかしそう様にも感じます。
では、仏教ではどう考えるのでしょうか?

自由の語源

実は、『自由』は、仏教が語源で、
自(みずか)らによって生きる
自らを頼り(拠り所)にする
という意味となります。
よって、時間、お金、会社から自由になるということは、
それらを頼りにせずに自立する、
ということです。

例えば、会社から自由になる、ということは、
いざとなったら、会社に頼らなくとも、
自分自身で生活していくことができる。
自分自身を拠り所にして、
例えば、自分のスキルで稼ぐことができるので、
会社に対しても卑屈になる必要がない、ということになります。
自分が居たいから会社にいる。
今の自分にとって会社がベストだから会社にいる。だけ。
変に遠慮をする必要もなく、忖度する必要もないので、
逆にとてもいい仕事ができるかもしれません。

先の夢の様な『自由に生きる』は
『自分勝手に生きる』と言っているに等しく、
本当に『自由に生きる』ためには、
みずからに責任を負うこととセットでなければ、
実現は難しいと思われます。

なぜ勉強するのか?

我々は、そういった意味で「自由に生きる」ということを
あまり習わずに、意識せずに育ってきた様に感じます。
小さいころから、勉強して、
いい大学に行って、いい会社に入る。
そういう価値観を、社会全体から
刷り込まれてきたように感じます。

大きなどこかに所属して、そこをよりどころに、
損をしないように。少しでも得をするように。
しかも効率よく。
自由に生きる』ためにこういう勉強した方がいいよ
と言われた記憶はありません。

子供さんがいらっしゃる方は
「なぜ勉強しないといけないの?」
と聞かれたことが、一度や二度はあるかと思います。
(もしかしたら、ご自身もそういう悩みを持たれていたかもしれません)
その時に「一流の大学に入って、一流の会社に入って、、」という説明は、
もしかしたら過去の自分の価値観の押し付けになってしまう危険性があります。
子供は親の20~40年後の未来を生きている未来人なので、
そういう説明では、的外れになっている可能性があります。

「将来の選択肢を広げるためだよ」
という説明も有効かもしれませんが
もしかしたら、今を生きている子供には理解がむつかしく
中々納得してもらえないかもしれません。

その点、
「〇〇ちゃん/〇〇くんが、自分をよりどころにして『自由に生きる』ためだよ。」
と言ってあげた方が素直かもしれません。
自分が何を拠り所に生きていくのかも含めて考えればよいのです。
何を勉強するのかを決めるのも含めて『自由』です。
決して、進学高校、一流大学、大企業に入るために勉強するわけではありません。
『自由に生きる』ために勉強すればよいのです。
逆に、勉強しないと、自分自身を拠り所にすることができないのです。

まとめ

「自由に生きたい」と漠然と考えていても、
何をやればよいか、少しあいまいに感じます。
また先に述べたような自分勝手な自由に生きるでは
おそらくいつまで経っても実現しないので、
余計に苦しんでしまうかもしれません。
ただの妄想。

が、自らをよりどころにして自立して生きると、
とらえなおすと、
自由に生きるためにやるべきことが、
少しづつ具体的に見えてくるかもしれません。
もしかしたらあまりやりたくない勉強も
『自由に生きる』為なら、頑張れるかもしれません。
共に『自由に生きる』為に、精進しましょう!

南無阿弥陀仏

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